【Caze Thibaut Fourches 2015カゼ・ティボー フルシュ】土壌に敬意をもって造る新星ワイナリーのこだわりが光るシャンパーニュ
2021-05-09
カゼ・ティボーはヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のシャティヨン・シュール・マルヌ村にワイナリーを構えています。ヴァレ・ド・ラ・マルヌはモンターニュ・ド・ランス、コート・デ・ブランと並ぶシャンパーニュ重要産地の一つである。
カゼ・ティボーは、現当主ファビアンが父から引き継いだ2009年に自身のワイナリーを立ち上げました。ファビアンは畑の状態を見てまずは土壌を改善するべきだと判断し、自然の力を尊重すべきとの考え方から、化学物質を使用せず有機肥料や堆肥を使って土壌を活性化させ、微生物の育つ健康的な土壌造りを行いました。3年かけた土壌改良の結果、畑に生えている植物を見てファビアンはやっとこの畑のあるべき姿になったと感じ、満を持してシャンパーニュをリリースしたのが2018年という、とても新しいワイナリーです。
畑の管理はほとんど手作業で、殺虫剤や農薬は使用せずオーガニック栽培を行っています。 プレスした果汁に自然酵母のみを使用します。アルコール発酵、マロラクティック発酵はステンレスタンクよりもオーク樽の方が果実、酸、樽のすべての要素がより統合されると感じるため、オーク樽の使用にこだわっている。またサイズによって酸素が足りずフレッシュすぎる味わいになってしまうので、114L、228L、350Lの3種類のサイズを使い分け、実験を繰り返し、最善だと思える味わいを探していく徹底ぶりです。
ファビアンの哲学は「土壌への敬意、ワインへの情熱によってこの土地の個性を表現する」ということ。彼のシャンパーニュのレベルの高さは他の生産者からも認められており、2019年にはシャルトーニュ・タイエをはじめベレッシュやアグラパールなどが所属するテール・エ・ヴァン・ド・シャンパーニュの一員となっている。またフランスのL’ASSIETTE CHAMPENOISEやL’ASTRANCE(いずれも3つ星)といったミシュラン星付きレストランにもオンリストされており、その名声を確固たるものにしつつあります。
白い花に柑橘類、アーモンドのアロマ。リッチな果実味由来の美しいアタック。力強く広がりのある味わいで、繊細で上質な果実味を酸が穏やかに包み込む。塩気を感じさせるミネラルがフィニッシュまで長く続きます。生産本数約1000本の貴重な一本です。
